大切な事は全て『西洋医学』が教えてくれた。代替医療の現場に身を置く私が今だから思う事。
東洋医学や代替医療というと、『根拠がない』『保険がきかない』『危険』などというイメージも最近ではだいぶ薄れてきたマイナス面ではないでしょうか。
日本では東洋医学や代替医療への信頼度がまだまだ高いとは言えませんが、西洋医学の総本山でもあるアメリカでは国民の半数以上が西洋医学のみの治療では不十分であると感じているそうです。
私自身『整体』という代替医療の分野に身を置いていますが、元々は『作業療法』という西洋医学から生まれたリハビリ業界で学び、働いてきました。しかし、その経験が今の自分を作り上げているといっても過言ではありません。
代替医療の分野は、私が身をおく整体の分野に限らず『国家資格』を必要とせず働ける無法地帯です。そして、私の周囲を見渡してみると無法地帯であるがために起こっている問題や悲劇もかなりの数あります。
そこで今回は、代替医療の世界に身をおく私が、なぜ西洋医学を学んでいて良かったと思うかをお伝えすることで、皆さんが代替医療を自分のライフスタイルに取り入れたり、治療に取り入れたりする為の参考になれば幸いかと思います。
西洋医学と代替医療の違いとは
まずはこの定義から明確にしておきたいと思います。
しかし、Wikipediaなどに置いても読者の皆さんが納得出来る様な内容が載っていなかったので私が、日本に置ける状況を踏まえご説明します。
西洋医学とは、主に病院で提供され薬、手術などを用いて症状を軽減又は消失させることを目的とした医療のことです。
代替医療とは、病院以外の国家に認められない形で提供されているケースが大半で、整体、漢方(一部は保険適応内)、サプリメント、食事指導系、運動指導系、ヨガ、アーユルヴェーダなどがそれに当ります。
日本において両者の違いは、『国民健康保険』又は『社会保険』や『介護保険』、『身体障害者手帳』や『精神障害者手帳』『療育手帳』など国の制度を経由して提供される医療か、それ以外かによって分けられている傾向があります。
しかし、一部柔道整復師や鍼灸師、あん摩・マッサージなどは代替医療とかぶる部分もあります。
代替医療の最終目標
整体などに通われた事のある方やサプリメントをご利用になられた方はご存知かと思いますが、代替医療に関する多くの商品やサービスがその最終的な目標にしているのが『自然治癒力(自己治癒力)の向上』です。
自然治癒力を高める事によって〇〇▽▽…というような謳い文句を飽きるほど見聞きしている方も少なくないでしょう。
しかしながら、代替医療に携わる多くの『商売人』がこの自然治癒力について知らないのが現状です。もちろん、素人のお客さんを丸め込むくらいの知識はあるでしょうが、例えば私のような専門家に、あるいはお医者さんに自然治癒力とは何か?その商品・サービスがどのように自然治癒力を高めるのかを自信をもって説明できる人はどれくらいいるでしょうか。
実はほとんど居ないのが現状であり、このような『商売人』から商品やサービスを提供された方に『代替医療被害者』が生まれている事は言うまでもありません。
つまり、代替医療の根幹である『自然治癒力』について知らないということは、もはやその分野に身をおく資格はないと言い切ってもおかしくないと思うのです。
西洋医学から学んだ事
私は西洋医学否定派ではありません。必要に応じて取り入れるべきものであると考えています。例えば、事故で大量出血している状態に対処できる代替医療はありません。まず救急車を呼び、病院へ行き、処置してもらうのが最善でしょう。
ですが、西洋医学は症状を抑えたり、緩和したりする事が目的で自然治癒力を高める事を目標にしていません。自然治癒力を高め根本解決をする為には不向きな医療だと考えています。
例えば、癌に侵され、手術で取り除いたとしても癌になった原因が取り除かれたわけではないので再発や新たに癌になる可能性は十分に残されています。
代替医療と根本的に違う点はここなのだと思います。
そんな西洋医学ですが、私がこの業界から学んだことは以下の3つに集約されますのでご紹介したいと思います。
1.解剖・生理・運動学などの基礎の基礎を学べた
学生時代はなんてくだらない暗記だけの基礎なんだと思っていましたが、今となってはその基礎があったからこそ今の技術があると思えます。西洋医学は解剖や実験(昔は人体でも…)を繰り返し目で見て分かる状態を作り、それを根拠にしてきました。
ですから、膨大な人体に関わるデータをベースに治療を考えられています。
私は国家資格保持者として、これらの最低限の知識を徹底的に学ばされました。しかし、多くの民間資格保持者や無資格者はここまで深いカラダに関する知識を持っていません。
私からすると何故そんな事故が起こるのか全く想像出来ない事故も起こっています。それは全てこの基礎となる知識の欠如によるものだと考えます。
2.医療者としての心構えを学べた
これは全ての医療者がそうではないかもしれませんが、私の居た環境は『医療者としての心構え』を深く教えてくれる環境でした。
医療人たるもの…的な話も当時は鬱陶しいと思っていましたが、今となれば大きな財産です。口うるさく教えてくれた恩師達には頭の下がる思いです。
この心構えがベースにあることで、お客様へのサービスの質が上がると考えています。私がこれまで10年以上学び続けている根幹にはこの医療人としての心構えがあるからだと思っています。
3.自然治癒力のイロハが学べた
自然治癒力を高める事を目的としていない西洋医学を学んで、自然治癒力のイロハが学べたとは何とも不可解に思われるかもしれませんが、実は当然なのです。
西洋医学は『自然治癒力』に依存した医学なのです。
例えば風邪。病院にいくと薬が処方されます。これは『薬で症状を抑えてるから自然治癒力さん、それまでに頼むから治してあげてね』という意味です。薬で風邪は治りません。
例えば手術。『お腹切って、取りあえず悪い所取り出すから、自然治癒力さん、頼むからしっかりお腹ふさいで、原因取り除いてあげてね』という意味です。手術で病気の原因はなおりません。骨折もそう。接着剤で固めるのではなく、自然治癒力で固まるのを補助するのです。
それが西洋医学なのです。
西洋医学の各種治療は自然治癒力ありきで考えられています。ですから、そのベースとなる自然治癒力について学ばないはずはないのです。私は、この大いなる自然治癒力についてのイロハを西洋医学から学びました。
しかし、この自然治癒力という途方もない概念を知ったかぶりで採用している代替医療は沢山あるのは本当に残念です。
まとめ
臨床経験10年以上、そして代替医療の現場に移って約4年。今だから思う事ですが、大切なことは全て西洋医学に教えてもらったような気がします。
もちろん、西洋医学にも弱点があります。それは心身二元論をベースに深まった背景にもよるのですが、『ココロ』『精神』『魂』『命』といったことが無視されて深まった分野なのです。
ですが、気付いている人は西洋医学と代替医療の融合を始めています。限界に辿り着いた時、必ず別の知識が導いてくれるのです。
代替医療の知識のみでもなく、西洋医学の知識のみでもない、本当にホリスティックな人間が、あなたのお悩みを解決し、あなたのライフスタイルをより良いものにできる人だと思います。
あなたの担当者に聞いてみて下さい。
「あなたは自然治癒力について、お医者さんが納得出来るレベルで説明できますか?」
あなたの担当者が、この答えに自信があり、自分の施術とあなたに対する責任がある担当者であることを切に願っています。
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