日本における薬物治療の問題点とは?
あなたは薬物治療についてどのようにお考えでしょうか。
日本人は薬漬けになっているとか、製薬会社と医師の癒着があるから大量に処方されるとか、その他様々な陰謀論的情報によってあまり良いイメージが無い方も少なくないかもしれません。
しかし、そのような似非情報に煽られて正しい治療を受けられず、失われてしまう命がでてくる可能性もあります。この辺については以下の書籍が詳しいのでご参照になさってください。
現状、薬物が一番効果的である治療法である疾患も多々ありますし、薬物治療は現代医学において大きな貢献をしていることにおいては誰もが認める所かと思います。
さて、そのような現状において日本の薬物治療にどのような問題がはらんでいるのでしょうか?今回は私が個人的に考える薬物治療における問題点についてシェアしたいと思います。
薬の管理が難しい
恐らくこのブログの読者は管理が難しいほど沢山の薬を服用していることはないでしょう。当ブログの読者層だとせいぜい持病の薬と花粉症の薬といったところではないでしょうか。
しかし、歳を重ねるに連れて身体にガタが出てくると処方される薬も必然的に多くなってしまいます。また、加齢によって認知機能の低下も現れ、認知症の心配も出てくると更に管理が難しくなってきます。
2015年4月8日版の朝日新聞の記事によると、『飲み忘れ』『飲み足りない』などの理由で大量に薬を余らせてしまい症状が改善されず、更に薬を処方されるという悪循環が起こっているということでした。
その余っている薬の総額は年間475億円分にも昇ると推計されるようです。
このような状態は特に複数の病院で、複数の医師により薬を処方されているケースや、食後薬を1日3食分処方されているが1食しか食べなかったなどの理由で徐々に余り始め、最終的に何が何だかわからない状態になってしまっているというケースに起こりやすいようです。
対策としては、もっとお薬手帳を有効活用すべきではないかということです。複数の病院に受診している際には各ドクターにチェックしてもらえば処方の量を調整できるのではないでしょうか。
また、医師の側も症状だけで薬を処方するのではなく、各患者の生活習慣や背景までも知った上で処方して頂けるとこのような問題は少なからず解消するのではないかと思います。
日本の診療報酬が安いという現状から、外来1人に対し多くの時間をかけられない制度ももしかしたら関係しているかもしれません。数を捌ける医師が求められているのも事実でしょうから。
必要な医療を受けるためであれば、多少医療費が高くなっても仕方ないと私個人的には思うのですが、国民皆保険で万人に平等の医療を提供するためにはそれも仕方ないのかもしれませんね。
認可までにかかる費用と時間が莫大過ぎる
病院は診察料が安いから薬を大量に処方して、その薬価で儲けているというお話がありますが、実際は薬では儲からないそうです。薬の値段を鑑みても確かにそうだろうなぁと思います。
そして、薬を開発するには莫大なお金と時間を必要とします。ですから、開発費の必要ないジェネリックで稼ごうとする製薬会社が増えるのでしょう。
しかし、そのせいで新薬の開発が遅れたりもします。日本の制度では薬の認可までには数々の過程を経て、最終認証過程だけでも約1年かかるそうです。(※開発から考えると10〜15年かかっているのが現状で、それだけ経った時に時代遅れになっている可能性も…。)
現在新たな試みとして、重大な疾患に関する認可だけは特別に早めるようにしようという動きが政府の中でされており、昨年話題になった『成長戦略』においても記載されています。
今、特に効果的な薬は海外製のものが多く、その多くが日本では認可されていないという実態があります。素人考えでは海外で効果を発揮しているのだから日本でも使えればいいじゃないかと思うのですがそんなに簡単な問題でもないようです。
その状況を打開し、日本発の認知症薬や抗癌剤などを発明するべく認可までの期間を縮めたり、開発初期から厚生労働省が相談に乗るなどの対策に打って出るようです。
まとめ
薬に頼らなくても良い身体を作るというのが我々にとっては非常に大きなテーマではありますが、意図せずともお世話になるケースもあるでしょう。
その際にはより効果的で安全な薬を使いたいと思うのが人の心というものかと思います。
より良い薬を適切に処方されるよう国の制度の側もどんどん、消費者にとって良いように変わっていってもらえたらと切に願います。
看護師さん応援キャンペーン
最大67%割引実施中!
関連記事