もしも我が子がインフルエンザにかかったらタミフルを服用するか?
昨日のエントリーで、インフルエンザ予防接種の効果はあるのかどうかというお話をしました。(参考エントリー:インフルエンザ予防接種の効果はあるのか?ないのか?)
私の結論としては現状受けるべきだろうと思っています。そのエントリーでも書いているように予防接種したからといって絶対にインフルエンザにかからないわけではありません。
予測が外れる場合もありますし、予測が当たっていても100%完璧でないのが予防接種の残念な点ではあります。また、鳥インフルエンザなど、現状ワクチンが開発されていないインフルエンザが流行してしまったら予防接種には意味がありません。
仮にインフルエンザにかかった際、治療として一般的なのが薬物(タミフル)での治療でしょう。この名称を知らない人はいないのではないかと思う位有名な薬品です。
しかし、数年前にタミフルを服用した子どもに異常行動が現れたというニュースは記憶に新しいかと思います。(参考:要注意!インフルエンザによる子どもの異常行動が多発中 exciteニュースさん)
上記サイトによると具体的には、
- 突然立ち上がって部屋から出ようとする。
- 興奮状態となり、手を広げて部屋を駆け回り、意味のわからないことを言う。
- 興奮して窓を開けてベランダに出ようとする。
- 自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない。
- 人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す。
- 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る。
- 突然笑い出し、階段を駆け上がろうとする。
などの異常行動が見られ、死亡してしまったケースもあります。
厚生労働省の調査では、因果関係はなく、異常行動はインフルエンザ自体に伴って発現する場合があることが明確になったと報告しています。(参考:厚生労働省Q&A)
さて、この件に関して皆さんはどうお考えですか?
今回はこの件について、私の身に決断が迫られたらどうするかを考えた内容をシェアしたいと思います。
タミフルと異常行動の関連性
厚生労働省の調査では、因果関係はなしという結果が出ています。しかし、そうではないと言っておられる方々がいらっしゃいます。
こちらの著者で、NPO法人医薬ビジランスセンターの浜六郎氏です。タミフルで異常行動から事故死、突然死 関連を示す10の理由というサイトの中で、タミフルと異常行動の関連性を述べられております。
- 以前に問題となっていたインフルエンザ脳症で死ぬような重症例の大部分は 非ステロイド抗炎症剤を解熱剤として使用した場合に生じている。 非ステロイド抗炎症剤をほとんど使用しなくなって以降は、 死亡するような脳症は激減してきました。 代わりに、テオフィリンや抗ヒスタミン剤で重いけいれん、 抗ヒスタミン剤と去痰剤で低血糖からけいれんを起こして 重症の身体障害・知的障害を残す例など、 非ステロイド抗炎症剤が関係していない例の割合が高くなってきています。
- 従来、死亡するインフルエンザ脳症は、様子がおかしいので病院へ連れて行っていろいろ医療行為をしたにも関わらずだんだんと意識状態が悪くなり昏睡状態に陥り、亡くなるまでに半日から1日はかかっています。ところが、今回の死亡例は10分から1時間くらいで突然呼吸が止まって亡くなっている。この点が従来のインフルエンザ脳症死亡例と全く異なります。だからこそ新型脳症と言われるのです。
- 2002年7月幼児用シロップが発売された、まさにその冬から新型脳症が報告されたことも、タミフルとの関連を強く示している理由です。
- しかも、突然死が動物実験で証明されているという事実です。赤ちゃんラットに1回投与後10分〜7時間後に死亡しました。ヒトでもタミフルを服用して突然死した6人中6人とも1回目のタミフル服用後2時間〜数時間以内に睡眠中あるいは呼吸異常で死亡しているので、そっくりです。したがって、動物実験で再現されているといえます。
- 赤ちゃんラットの死亡は、脳内に大量のタミフル(成長ラットの3000倍)が移行し、呼吸が止まる結果であり、ヒト換算で、たかだか26倍超〜40倍程。この程度の違いなら、個人差を考えればヒトでも起こりうると考えるべきものです。
- 成熟していても、インフルエンザに罹ればタミフルが脳内に移行しやすくなるし、タミフル自体が脳圧を亢進することがあるというデータがあります(予防使用した5か月乳児の大泉門が膨隆など)。
- 熱せん妄(高熱が出ている時にうわごとや異常行動をする)は、文字通り高熱の時に出ます。厚労省の副作用報告例や14歳の子は、熱が下がってきてから異常行動を起こしていますので、熱せん妄でないことは明らかです。
- 高熱でない子どもにも起きるということは、そこに熱が加われば、一層起こしやすくなります。したがって、熱がある時に異常行動が起きた例でもタミフルの関与を否定する根拠にはなりません。
- 熱もなく、タミフルだけしか服用していなくて異常行動を起こしている子が何人かいますので、タミフル以外の薬剤による副作用ではありません。そして他の薬剤が併用されていてもタミフルの関与を否定する根拠にはなりません。
- 脳を抑制する物質(アルコールや睡眠剤、鎮静剤、麻酔剤など)は、人によっては異常に興奮し暴れたりすることがありますし、大量使えば呼吸が止まって死にます。タミフル服用後の異常行動と睡眠中の突然死という一見異なる反応は、同じ薬理(毒性)作用の異なる面ということです。
私は医師でも研究者でもありませんから、これらの内容が正しいかどうかわかりません。しかし、タミフル使用者の総数に対する異常行動発生者数があまりにも少ないように思うので、統計学的に因果関係ありと言えるのかどうか疑問に残ります。(※2005年11月にタミフル服用後の異常行動が報告されてから、2007年3月に10代へのタミフル使用制限が通告されるまで、タミフル服用後に異常行動(ベッド上で飛び上がった程度のものまで含めて)を起こした人数は186名で、内十数名が亡くなったとされています。)
『タミフル騒動の虚実』では、上記主張に対して反論されています。
この記事で一番この主張を納得させられた記述のみ引用しておきます。
これまでタミフルの服用者はのべ3500万~4500万人ほどと見られています。
一方異常行動の報告は200件弱、転落死者は20人弱ですから、異常行動を起こす確率が20万分の1、転落死する確率が200万分の1程度ということになります(多くの場合、マスコミの報道では「分子」の数だけが語られて、「分母」がこれだけ巨大な数字であることが見落とされています)。
この200万分の1という確率は、交通事故で死ぬ確率1万分の1、飛行機事故で死ぬ確率50万分の1よりも十分に小さい数字です。
そして飛行機事故はいくら気をつけていても防ぎようがありませんが、タミフルによる転落死は周囲で気をつけていればかなりの割合で防げるリスクです。(鳥インフルエンザの死亡率は60%、通常のインフルエンザで死ぬ率は数千分の1)
この数字は調べれば分ると思いますが、あなたはどのように感じましたか?
私的結論
現状、10代の利用は制限されており、10代の子どもがタミフルを使用する事はほとんどなくなっていると思います。うちの子はまだ3歳と1歳ですから、異常行動を示す10代ではありませんが、しかし、仮に服用を奨められたら受け入れ、異常行動を起こしても、その際の危険に十分配慮すると思います。
仮に鳥インフルエンザが流行ったら、確実にタミフルを確保できるように奔走すると思います。
しかし、まずインフルエンザにかからないように予防接種を受け、心身の健康に勤めて、インフルエンザに負けないカラダ作りを心掛けたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。現状インフルエンザにおける効果的な治療法はタミフルの服用だと思います。もちろん使用する際には十分な理解と準備が必要かと思います。
しかし、毎年インフルエンザで多くの方が亡くなっているのも事実。しっかり対策していきたいものですね。
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