『整体後に赤ちゃん死亡』から学ぶ、親のあり方
大阪のNPO法人が『運動後に副作用がないと私自身は確信を持っていた』ということで赤ちゃんに対して整体行為を行い、『病気をしにくい』『アトピー性皮膚炎が解消』という触れ込みで1時間1万円、過去10年間で6000名ほど施術してきたとのことです。
そして、その結果死者がでているというのが今回のニュースです。(※ご存じないと言う方は下の動画をご覧下さい。)
ニュースの概要
- 施術中に乳児が大阪と新潟で2名無くなっている。
- 施術は国家資格を持たないNPOの代表や関係者が実施。
- アトピー性皮膚炎の解消や、病気にならないという謳い文句。
- 過去10年間で6000件実施。
- 副作用など無いと確信を持って施術していた。
今回はこの事件について考えた事があるのでシェアしたいと思います。
そもそも『整体』とは
そもそも『整体』とは何なのか?ということをご存知無い方も多いと思います。ちなみにうちのサロンは『整体』という分野に属するサロンです。その他にも『整骨院』『鍼灸院』『マッサージ』『リラクゼーション』などなど色々ありますよね。
しかし、お客さん側はそれをしっかり把握していないという場合が大半です。(参考エントリー:コンビニより多いマッサージ屋!その種類とあなたが選ぶべき基準)
整体とは、国家資格(柔道整復師)を持たない施術者が経営するお店です。ですから保険は適応されません。もちろん国家資格(柔道整復師)保持者でも保険適応外の施術を提供しているところも少なくありませんが、現状保険適応にて治療されているところが多いです。
整体師のことを『治療家』とか、整体院のことを『治療院』という表現を自らされている方がいらっしゃいますが、これらは全て違法です。整体師は医療行為をできませんので、『治療』という表現は医療行為にのみ適応されます。
これに付随して厳密に言えば『マッサージ』という表現は『あん摩マッサージ指圧師』の資格保持者しか使ってはいけませんし、『ツボ』に関する表現は『鍼灸師』の資格保持者しか使ってはいけません。
しかし、これら『医療類似行為』が世間で問題になっていることを多くの方は知りません。医療類似行為をなくそうと、国家資格保持者の団体が国に働きかけているという事実もあります。(恐らく消滅させることは無理でしょうが。)
では整体師とはどうやればなれるのか。そうだと名乗れば『今日から』でもなれます。笑
もちろん国家資格保持者以上に勉強されていて、国家資格保持者以上に施術が上手な整体師もいますし、家族や友達にマッサージをしたら人気だからと独自の方法で取り組んでいる方もいらっしゃいます。はっきり言って良し悪しは不明です。
その点国家資格保持者の施術は最低限の知識と技術は担保されてますので100%安全ではありませんが、比較的安心です。
整体を受けるにはリスクがあり、そのリスクを承知して受けなければならないのです。
当サロンの場合
一応当サロンの位置づけをご説明しておきます。
オーナーの私は、国家資格保持者ではありますが、整骨院を開業できる『柔道整復師』ではなく、障がい者のリハビリの専門家である『作業療法士』という資格を持っています。
ですから、私のお店の分類は『整体』であり、医療行為は提供しておりません。元医療従事者のオーナーってことですね。
もちろん国家試験に合格していますので最低限の知識と技術は担保されています。臨床経験も約10年ありますので恐らく安全に施術させていただきます。しかし、整体ですから保険は適応されません。
うちのスタッフに関しては、私から直接指導を受けた整体師ですが、国家資格は持っておりません。
しかし、身体の仕組みを理解し、姿勢を良くする事の重要性は分っていますので、施術の能力は高いです。しかし、治るとか、良くなるとは言い切れません。その辺をご了承頂けるお客様にのみ選んで頂いております。
子どもへの整体
今回のニュースは2つの問題に焦点が当てられていると思います。1つは国家資格を持たない者による『医療類時行為』の危険性。そしてもう1つは『乳児に整体は必要か』という問題です。そういう特質がありますので話が飛んでしまって申し訳ありません。
子どもへの整体ですが、私の持論としましては『立って歩いた経験のない人間には必要ない』と考えております。しかし、生まれつき脳性麻痺などの重度の障がいがあって、座れない、立てないなどの場合はこの限りではありません。
理由は、『整体』とはその名の通り身体を整えることです。つまり何かしらの原因によって通常からズレてしまった身体が対象になるわけです。そしてズレが発生する一番の要員は『重力』です。重力がなければ我々は生きていけませんが、身体のズレが起こるという宿命を帯びてしまうのです。
今回のケースは定頚して間もない乳児に対して過剰に頚や腕を捻っています。ぶっちゃけあり得ない危険行為です。子どもの筋肉は発達しきっておらず大人と比べて柔軟ではありますが、逆に危険を察知して拒否する能力も出来上がっていません。
しかも上の動画ニュースでは施術中に心肺停止になっているとのことですので、過度の関節運動をさせていたわけですから傷害致死です。これは『副作用』なんてもんではなく『傷害行為』による『殺人事件』です。
子どもも座って、立つようになり、歩き始めたら特にその時点から身体は歪み始めますし、ですから当サロンでは、特に就学時期からひどくなる身体の歪みを少なくしてもらいたい思いから学習椅子ようのクッションを販売しています。(参考:p!nto kid’s)
しかし、積極的に来店は進めません。その必要性が薄いと思っているからです。(もちろん中には施術をした方が良いお子様もいると思いますが。)
今回の事件には親の責任もあると思う
そして、今回の事件は誰が一番悪いと言われればトンデモな施術をしたNPOです。しかし、トンデモな施術をしている人を選んだのは残念ですが親です。子どもが自ら受けたいと言うはずありません。
そもそも『整体』という危険があり得る業界であると理解し、その施術が安全であるという確信が持てなければ受けるべきではありませんでした。
『病気になりにくい、アトピー性皮膚炎が良くなる、夜泣きがなくなる』などの科学的根拠もない(しかも、国家資格保持者でも言わないような謳い文句)を信じてしまうのも親です。親は子どもの為なら何でもしてやりたくなります。
私も最近の一番の出費は七五三の前撮りです。要らんでしょ、前撮り(苦笑)。それでもお金をかけてしまう親がいますし、それをビジネスにする人も居ます。真っ当なビジネスなら両者が喜べるので全く問題ありません。
しかし、子を思う親や、孫を思うおじいちゃん・おばあちゃんを『カモ』にしたグレーなビジネスや詐欺があるのも事実です。
こういう犯罪は日夜進化していきます。当然ですよね。消費者も騙されたくて騙される分けではありませんから学習します。しかし詐欺師はそれを上回る学習をしてやはりまた騙すのです。
今回のケースは『詐欺』ではないかもしれませんが、結果的に詐欺的な行為ですし、殺人事件です。しかし、もう少し色んな事を調べたりしたら防げたかもしれない事件です。
親が悪いわけではありませんが、親にもそういう危険が付きまとっていて、それは自分でしか守れない自覚なり、責任なりを持つべきだと思うのです。
まとめ
すごく微妙なケースで、勘違いして捉えられると親を敵に回すかもしれませんが、今回は当事者の親を責めているとかそういう意味ではありません。
世の中にはそういうグレーなところで仕事をしている人はいますし、ブラックな仕事をしている人もいます。
そして、『親』はその的にされやすいという自覚を持って欲しいのです。もちろんそれでも騙されたりすることもあるかもしれません。しかし、出来る限りそうならないためにも『調べる』ということをして頂きたいと思います。
うちでは、良くわかった上でご来店頂きたいので整体サロンではあり得ない位の量のブログを書いております。
言っている事が首尾一貫していなかったり、根本の理論は何かがわからない整体には近寄らない方が安全かと思います。
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