アメリカの研究で、『座るな、歩け。』という結論が出たことに対する2つの疑問。
先日のウォールストリートジャーナルで『長時間座り続けることの弊害』という記事が掲載されていました。
様々な、改善法を提案した後、結論として
歩きなさい。座ってはだめ
結論。ゴルビック氏は、座る姿勢は座っている時間の長さほど重要でないと話す。自身はできるだけ席を立ち、同僚と「歩きながら会合」をし、屋外で電話するようにしている。「歩けない場合」は、「少なくとも立っていることだ」という。
と、締めくくられていました。
もちろん、記事の中には、座位姿勢を快適にする為の改善策も提案されており、専門家からみても最もなことが述べられています。また、恐らくベースとなる考え方は似ているだろうと思います。
しかし、私はこの結論はあまりに乱暴で危険な提案だと感じ、ここで感じた疑問をまとめたいと思います。
座らずに歩いたら良いという短絡的な考え方
同誌に掲載されている内容の1つに
「何時間も座っていることが、背中の下方の痛み、糖尿病、肥満の原因になりうることを示す、セデンタリー・デス・シンドローム(座りすぎが死につながる症候群)の研究がある」と言う。言い換えれば、どんな姿勢であろうと1日中座っていれば、かなり体に悪いということだ。
とあります。
これは一理あるのでが、背中の下方の痛み、糖尿病、肥満になるような方々は申し訳ないが合わせて運動不足も問題になっていると思います。
そして、逆に言うと、ある程度運動している人は座っている時間は必然的に少なくなります。単に座っている事が問題というよりは運動不足が問題であると考えた方が良さそうに思います。
もちろん、『座るな、歩け。』という言葉を運動しなさいねという解釈にすれば良いかもしれませんが、同記事にコメントを寄せられている一般の方のコメントを見ていると、どうもそうではないようです。
仕事上難しい人がいるのも事実
デスクワーク中心のお仕事、長距離ドライバー、その他座っている事が少ないお仕事に従事されている方はいくら歩き回りたくても難しい現実があります。
こういう方々にとって、『座るな、歩け』はあまりに乱暴な表現かと思いました。歩けないなら少なくとも立っておくべきだとありますが、では立っていれば良いのか?
私は個人的に、座っていて姿勢に問題があり、病気になりやすくなっている方々は立ってようが、身体の負担は増え、病気になりやすくなって行きます。もちろん、立つ事により、足の筋肉の弱体化を防ぐ役割は担うでしょうが、それ以上に足、腰にかける負担は座っている時以上に増えます。
当サロンへお越しのお客様でも、接客業などで一日中ヒールで立ちっぱなしのお客様も多くいらして頂いていますが、みんな揃って足への負担がたたっています。
このように立っている事のデメリットも頭にいれた上での提案では無い気がしたわけです。
まとめ
とはいえ記事の中に出てきているゴルビック氏は恐らく担当の患者様への指導は恐らく的確であると思います。無理に立たせたりせず、正しい座り方の指導、ヨガをススメているという記載もありましたが、その点は私も賛成です。
一般向けの記事で、基本的に健康な人間が見ているだろうという想定の発言だとは思いますが、現代人に健康な人はほとんどいないというのが私の意見です。
健康でない人(既に姿勢の歪みを抱えた人)へのコメントとしてはあまりに危険で短絡的な表現に疑問を感じブログにまとめてみました。
この記事もそうですが、大切なのは記事の読む側のヘルスリテラシーを高める事、情報を発信する側も読者のヘルスリテラシーを引き上げるような内容にしなければならないと改めて感じました。
今後もよりよい記事にしたいと思いますので皆さんのご意見頂ければ幸いです。
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