子どものロコモティブシンドロームが問題になっている模様
先日NHKの番組で子どものロコモティブシンドロームが問題になっているという話題が上がっていました。
特に足首の関節や手首の関節が固くなり、骨も弱くなっている事からちょっとしたことで骨折してしまう子どもが増えてきているのだとか。
これは確かに大きな問題だとは思うのですが、なぜそのような自体になったか?という背景には様々な問題がはらんでいると思うので子どもが元気に過ごせる様になるためにはどうすれば良いかについて考えたいと思います。
子どもがロコモティブシンドロームに陥るという大きな問題
まずは簡単にロコモティブシンドロームシンドロームについて解説しておきます。ロコモチャレンジさんでは以下のように説明されています。
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)」といいます。
進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起き、歩行や日常生活に何らかの障害をきたしている状態です。
(図引用:DRAG39さん)
ロコモティブシンドロームは上図の示すように、以下の項目に1つでも当てはまると、その危険性があると言われています。
- 2kg程度の荷物を持って帰るのが困難
- 15分続けて歩けない
- 片足立ちで靴下が履けない
- 家のやや重たい物を持つのが困難
- 横断歩道で青信号の間に渡りきれない
- 家の中で躓いたり、滑ったりする
- 階段を昇るのに手すりが必要
中でも子どもにおけるロコモティブシンドローム予備軍と言われる子どもたちには以下のような特徴があるようです。
(図引用:スポーツテンカさん)
- 片足立ちが5秒以上できない
- しゃがみ込みに問題あり
- 肩が180度まで上がらない
- 起立位からの前屈で床に指先がつかない
- グーパーに問題あり
私はメタボ・ロコモ・認知症の予防こそが、これからの現代人に意識づけていく必要があると思っているので、そのロコモの兆候が子どもに出ているというのは非常に大きな問題だと感じるのです。
あなたも経験されているかと思いますが、子どもの頃より身体が柔らかくなっている方はいらっしゃいますでしょうか?ヨガやバレエなど特別なことをされているケースを除いては間違いなく硬くなっているでしょう。つまり、それだけ怪我などをしやすい状態になっているのです。
しかし、子どもの段階で既にロコモだと、歳を重ねるにつれて更に危険な状態となっていきます。安心して外を歩けなくなると言っても過言ではないかもしれないのです。
子どもにとっては、将来の夢も何も無くなる可能性もあるという大問題であることをまずはご理解頂きたいと思います。
子どもがロコモティブシンドロームになる理由
では、なぜこのような事態になってしまったのでしょうか。単純に理由を考えると『運動不足』が大きな理由でしょう。
外遊びよりも中遊びが多いことなどが主たる原因かと思いますが、そのような生活習慣により子どもの運動能力は徐々にではあるものの低下しているいます。
このような事態に陥った背景には何があるのでしょうか?以下に考察したいと思います。
1.安心して外で遊べなくなった?
私は田舎育ちですので、幼稚園に入園した頃から近所の公園で友達と一緒に遊んでいたように記憶しています。また、それまでもお祖母ちゃんに連れられて公園で遊んでしました。
今は大阪で生活していますが、娘を公園で一人で(あるいは友達と)遊ばせるというのは何となく不安な気がします。
恐らく私が子どもの頃と対児童への犯罪というのはそんなに増えていないと思います。しかし、児童への事件はマスコミもセンセーショナルに伝えますから、日本が徐々に危険で住みにくい街であるように思い込んでいるだけだと思うのです。
多分大丈夫。でも不安だから…。と子どもの遊べる範囲が少なくなっているのではないでしょうか。
日本中が監視カメラで包囲する。なんて事をすると反対勢力が大きく反対するでしょうが、それくらいの方が安心とも捉えられますよね。間違いなく犯罪の抑止力になるわけですから。
2.物理的に遊べる場所が減った?
特に都市部においてかとは思いますが、保育園や幼稚園の園庭で走り回れるスペースは減っているのではないかと思います。
大阪市内の保育園、幼稚園で付属の大きな園庭を持っているところはほとんど無いのではないでしょうか。運動会は近所の小学校や、市立グラウンドで行うってところも多いようです。
私の長女が入園した幼稚園も園児数に比べて園庭のサイズはとても小さく、走り回りたい盛りの娘の行動が発散できるか少々不安なサイズです。
また、最近では公園での球技を禁止しているところも少なくないようですし、池田小学校で起こった悲惨な事件以降小学校の校庭などを開放しなくなった事も関係しているでしょう。
田舎に行けばまだまだスペースは沢山ありますが、都市部では遊べるスペースが減っているのも事実でしょう。
3.国家的対策をしてこなかった
今回、このような事態を受けて文部科学省は、子どものロコモへの対策に動こうとしているようです。
しかし、先ほども示したように子どもの運動能力低下は以前から始まっていました。その時から対策していれば現状のような大きな問題に発展してなかったかもしれません。
国が対策するとは言っても、その対策がいつ反映されるかわかりませんから、親として子どもの運動不足には注意をする必要があるでしょう。
4.夏が暑すぎる
日本は年々熱くなっています。
図は熱帯夜日数の推移です。
暑い夏に外で遊ぶことに関して危険は伴いますが、周囲の大人が注意していれば大丈夫です。大丈夫でないのは付き添いの大人です。
遊んでいる子どもを見ているだけでもフラフラします。対策しようにも、「こんなに暑かったら危険だから…」と正当化しながら外遊びをやめてしまいます。
これは簡単に対策できることではないので、親が気合いを入れてこれからやってくる暑い夏にも、一緒に外で遊びましょう。
まとめ
子どものロコモに関して子どもは全く悪くありません。
子どもが運動不足に陥りロコモになるのは完全に大人の責任だと思います。もちろん個人個人の責任もあるでしょうし、社会の責任でもあると思います。
しかし、社会はそう簡単に変わりません。まず変われるのは親である我々です。
子どもが遊びたい気持ちを尊重し、外で遊ぶ習慣をつけてあげることこそ、ロコモ予防の近道です。
是非、子どもと共に外で遊んであげてください。
看護師さん応援キャンペーン
最大67%割引実施中!
関連記事