長引く疲労の原因は肝臓に!?慢性疲労を解消する方法
あなたは今疲れていますか?という問いに対し、リゾート地で聞かれた質問でも無い限り多くの方が「はい」と答えるのではないでしょうか?そして、その半数以上が6ヶ月以上継続的に疲れている状態、いわゆる慢性疲労の状態にあるかと思います。
あなたも、あなたも、あなたも、みんな疲れていますよね。疲労の原因は様々ですが、その様々な原因によって『肝臓』がその負担を受け、慢性的な疲労に繋がっているという事をご存知でしたでしょうか。
もちろん、肝臓の負担だけが全てではないでしょうが、多くの慢性疲労の原因として、肝臓の不調があるといわれています。
今回は、そんなストレスフルな現代人の肝臓とその疲労を解消する方法についてお伝えしたいと思います。
肝臓とは?
肝臓とは、どのような働きをする臓器かご存知でしょうか?アルコールの分解を行い、お酒を飲み過ぎると肝臓に悪いということは多くの方がご存知かと思いますが、肝臓の働きはそれだけではありません。
ここでは、肝臓の働きについてお伝えしたいと思います。
肝臓は、呼吸の為の筋肉の膜である横隔膜の直下で、胃の右隣にあります。肝臓には心臓から血液の約1/4という大量の血液が送られてきて、それを全身へ送り出します。
なぜ肝臓にそれだけの血液が集まるかと言うと、肝臓ではそれだけ沢山の血液に含まれる酸素と栄養素を使って行わなければいけない大切な仕事があるからです。その仕事とは、『代謝』『解毒』『胆汁の生成』の3つです。以下に詳しくご説明します。
- 代謝:食事で摂取した食べ物は消化されて吸収され、肝臓へ繋がる門脈から血液によって肝臓に運ばれます。肝臓はそれをいったん貯蔵し、体内で利用できる形に変換・合成して、必要に応じて体内へ送り出します。
- 解毒:体内に入ってきたアルコール、薬、食品添加物などの化学物質や体内でつくられたアンモニアなど、体に有害な物質を分解して無毒化して排出します。
- 胆汁の生成:胆汁は脂肪の分解や、あぶらに溶けやすい脂溶性ビタミンの消化・吸収を助ける働きをします。肝臓が分泌した胆汁は、胆管(胆道)でつながっている胆のうに蓄積されて濃縮され、胃から十二指腸に食物が流れてくるとその消化・吸収のために十二指腸内に放出されます。
肝臓が疲労するとは?
ご覧のように、肝臓は数多くの身体にとって重要な働きをしており、現代社会においては休まる暇がない臓器の1つです。
肝臓は様々な負担に晒され、いつのまにか疲労し、何か症状が出た頃には手遅れであることが多い事からサイレントキラーと呼ばれたりもしています。
肝臓が疲労するとは、肝臓の酷使(仕事のさせ過ぎ)です。肝臓の休息する時間は午前3〜5時といわれています。ですので、深酒をしたまま眠ったり、夜中まで起きていたりなどは肝臓に休む暇を与えない事になります。
様々な原因によって、肝臓に疲労が起こると、慢性的な疲労、倦怠感、眠気などの状態が起こります。しかし、これらの症状が肝臓の疲労と考える人は少なく、気付いた時には手遅れということもあるのです。
肝臓が疲労する原因
以下に肝臓が疲労する原因について列挙し、説明したいと思います。
アルコールの過剰摂取
これは皆さんご存知かと思います。肝臓はアルコールを分解し、無毒化して体外に排出します。お酒を飲まない人に比べ、飲む人は余分に分解という仕事のストレスを与えることになります。もちろん適量であれば問題はありませんが、大量の飲酒が毎日続くようであれば肝臓は徐々に疲労していくでしょう。
食べ過ぎ
食べ過ぎが胃腸への負担になることは想像できるかもしれませんが、食べ物を分解された先に、それらの物質を栄養素に変え、身体に貯蔵・必要に応じて排出するのは肝臓の仕事です。食べれば食べるほど、胃腸から送られてくる分解された物質が肝臓に届き、仕事をしなくてはならなくなります。
高タンパク・高脂肪な食べ物
食べ過ぎと同様ですが、特に高タンパク・高脂肪な食品は分解に手間がかかります。これらが多過ぎると肝臓の仕事量は増え、余分にストレスがかかります。
睡眠不足
睡眠中、身体の活動は休憩状態に入りますからエネルギーをあまり必要としません。しかし、長時間起きているとその分沢山エネルギーが必要となります。肝臓はエネルギーを生成して、全身に送る働きがありますから、睡眠時間が減れば必然的に仕事量は増えます。
また、人の活動にはエネルギーが必須ですが、使ったエネルギーの後には不要な物質が残ります(老廃物)。これら不要な物質の処理も肝臓は引き受けなくてはなりません。
肝臓の休息時間は3〜5時ですので、最低でも1時頃には眠らないと十分な休息がとれません。睡眠不足に陥る事で、肝臓にかかる負担はまさに三重苦といえるでしょう。
運動不足
運動不足になると、肝臓に栄養が溜りすぎますので、それを排出するという余分な仕事が増えてしまいます。ダムが決壊する前に堤防を上げるという仕事が増えるような感じですね。
適度に活動していればわざわざ排出する必要はありませんが、運動不足の方の肝臓はこのような余計な仕事によるストレスを感じています。
過剰な筋肉運動
運動不足はいけませんが、かといって過剰な筋肉運動をするとアンモニアが発生します。アンモニアは身体にとって毒なので、肝臓が処理しなければなりません。
精神的ストレス
肝臓をはじめ、臓器をコントロールしているのは副交感神経(リラックス状態で優位)です。しかし、精神的な緊張は交感神経(活発状態で優位)を刺激しますから肝臓の働きを邪魔します。また、交感神経優位時は全身の筋肉が緊張し、内臓への血流量は減少しますからより肝臓の働きの阻害になってしまいます。
薬物、食品添加物、農薬などの摂取
薬は必要な場合は適量必要かもしれませんが、常に摂取すると肝臓が分解に追われます。食品添加物や農薬も人体に有害な物質ですから肝臓にて分解が行われます。(しかもこれらは排出されにくく貯留すると言われています。)
もちろん、現代社会に生きる上で食品添加物などを全く摂取しなくていい生活は無理でしょうが、常に摂取量が多い状態は肝臓に余計なストレスをかけることになります。
喫煙
ニコチンやタールが有害な物質であることはご存知かと思います。これらを分解し、排出するのはやはり肝臓の役割です。ヘビーであればあるほど肝臓に負担をかけています。
肝臓の疲労と慢性疲労の関連
肝臓すごくないですか?私もはじめて肝臓について勉強したときは、肝臓って俺より働いていると思ったものです。しかも日常の様々なシーンに置いてストレスを強いられている臓器でもあります。ちょっとかわいそうですよね。
では、そんな肝臓の疲労と、慢性疲労はどのような関連があるのでしょうか。
『鈍重肝臓』が多くの慢性疲労の原因であると言われたのは、故・甲田光雄氏です。
少し引用させて頂き説明と変えさせて頂きます。
「鈍重肝臓」という誠に厄介な病気があります。これは筆者が名付けたもので現代医学書には載っていません。しかし、この患者さんは非常に多いのです。おそらく日本で何百万、いや何千万という大多数の人々がこの病気に罹っていると見て間違いないでしょう。
ただ、大半の方はその程度が軽いために深刻に考えられていないだけです。しかし、程度が軽くても、生涯にわたっていろいろと悪い影響を及ぼし、ときには運命を狂わせてしまうことにもなりますから、決して甘くみてはなりません。
いったい鈍重肝臓とはどのような病気なのかを説明しましょう。
(中略)
とにかく疲れやすくて、根気が全然ない。肩や首がこって、仕事に熱中できなくて、すぐ嫌になってしまう。書物を読んでも、頭に入らないし、すぐ忘れてしまう。名前や電話番号も、パッと出て来ず、記憶力には全く自信がない。そのために仕事がはかどらず、いつもイライラして当り散らすことが多くなった。そして、何事にも悲観的になって、取り越し苦労ばかりする。そのうち手足が冷えるようになり、寒がりになる。同時に暑さにも弱くなる。
そのくせ食事となると人一倍たくさん食べ、その後は決まったように軽いうたた寝をしないとやってゆけない。腹部膨満感があり、便は思うように出てくれず、スッキリ感がない。
こうした様々な苦しい症状が半年も1年も、人によっては何年も続いているのですから、本人にしてみれば大問題です。
しかし、こうした方々は、外見はどっしりした立派な体格の人が多く、どこが悪いのかと思われるような少し赤ら顔で、うっかりしていると、その人の苦しい症状の実態を感じ取ることが難しいくらいです。
このような状態を鈍重肝臓と良い、肝臓の疲労が原因で起こる慢性疲労だということです。
対処法
現代社会において色々肝臓への負担は割けられないのが現状です。
しかし、少しの我慢で割けられるのは『暴飲暴食』『喫煙』『コンビニ・外食の利用』でしょうか。これらは明日からでも心掛け次第で可能です。私は16時間断食提唱者ですから、食事に関しては大丈夫かと思いますが、お酒をもう少し控えようと今回改めて思いました。取りあえず本日は休肝日にします。
また、運動不足は現代社会における大きな問題の1つであると思います。運動不足の解消によって得られるメリットは沢山あると思いますので、まずは1日から運動をはじめても良いのではないでしょうか。(参考エントリー:働く女性の運動不足解消法!日常生活に取り入れる3つの方法)
もちろん、姿勢の歪みは肝臓の疲労を助長しますから、姿勢を正しく保つことも重要ですよ!
まとめ
肝臓に限らず、自分の身体の中で24時間働いてくれている臓器に目を向ける事はほとんどありません。24時間血液を循環させてくれて、呼吸してくれている身体には本当に感謝しなくてはなりません。
人は身体の働きを『当たり前』だと思い、その働きがなくなって初めて気付くのです。しかし、無くなってからでは手遅れです。
是非、ご自身の生活習慣を見直して、肝臓を休めて上げて下さいね。
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