カイロプラクティックの効果と危険性を天秤にかけた結果…
こんにちは。骨盤矯正専門店 癒し家の「なかの」です。
先日のエントリーでお伝えしていた手足口病が過去10年で2番目の流行具合だというニュースが飛び込んでまいりました。大人には伝染りにくいですが、お疲れで免疫力が下がっていたりすると容赦なく感染します。お子様がいらっしゃる方はご注意くださいね。(参考エントリー:夏場に流行の手足口病!その原因、治療と大人が感染した場合…)
さて、本日はカイロプラクティックについて書こうと思います。お客様から「カイロってどうなんですか?」という質問を頂くため、まとめておこうと思う次第であります。
私は整体サロンを開業する前にありとあらゆる整体系の施術を受けてきましたが、カイロだけは受けませんでした。
何故私がカイロだけは受けなかったのか?という理由も踏まえて、カイロプラクティックの効果と危険性を天秤にかけて考察したいと思います。
カイロプラクティックとは?
カイロプラクティックはアメリカ発祥の整体法です。カイロプラクターの中にはカイロと整体は違うとおっしゃられる方もいらっしゃるかもしれませんが、整体を体を整えるという大きな意味合いで捉えた時に私は同じだと判断します。
理論的な背景としましては、身体に起こる不調の大半が背骨の歪み(サブクラゼーション)から起こる神経の圧迫が原因だという考えです。
サブクラゼーションが起こると、イネイト・インテリジェンス(生命力や生命エネルギーのような意味合いで用いられる)の流れが妨げられ、そこからありとあらゆる不調が起こるというものです。
ちなみに、イネイト・インテリジェンスというものが存在する根拠はございません。仮に存在するとしてもサブクラゼーションがイネイト・インテリジェンスの流れを妨げる証明も無ければ、イネイト・インテリジェンスが健康に影響を与えるという証明もありません。
つまり、かなり神秘的な考えを元に作られた整体法といえるでしょう。
カイロプラクティックの効果
世界中で様々な研究において、カイロプラクティックの効果についてはいくつか証明されています。
しかし、効果が証明されているのは「腰痛」に関してだけです。しかも、その効果の程に関しては不明で他のち療法に比べてカイロプラクティックが有効であるという証明がされていないのが現状です。
カイロプラクティック院の多くは腰痛以外にも首の痛みや頭痛、肩こり、その他不妊症や喘息、乳児のぐずり泣きなどなど多岐に渡る症状に対して効果があるとしていますが、そのような根拠はどこにもないのが現状です。
少なからずカイロプラクティックを受けることにより、腰痛以外の身体の不調を改善した人もいると思いますが、それは自然治癒力によるものかもしれませんし、プラセボ効果である可能性が高いとされています。
カイロプラクティックの危険性
では、危険性はどうでしょうか。
『脳卒中のリスクが5倍に高まる首ポキ施術。カイロが危険な3つの理由』でも書いていますが、カイロプラクティックの技術であるアジャストの手法として、頸部に急激な回旋を加え、歪みを治すという手法があります。
ですが、頸部の急激回旋は危険を伴います。
どのような危険かというと、頸部には多くの動脈が密集しており、その内の一つである脳に繋がる椎骨動脈が剥離するという事例が出ているのです。
椎骨動脈の剥離によって、脳卒中になりやすくなり、上のエントリーに書いているように脳卒中のリスクが5倍になるとされているのです。
その他ちょっとした吐き気やふらつき、痛みなどは時間の経過とともに解消されるレベルの危険かもしれませんが、特に頸部のアジャストは危険だということです。
私がカイロプラクティックを受けない理由
私は現状腰痛がありませんのでカイロプラクティックは受けません。そして、危険を犯してまでカイロプラクティックの技術を肌で感じたいとも思わないので過去にも受けませんでした。
もし腰痛があれば、その種類にもよりますが、あからさまな病的要因が考えられるなら整形外科を受診しますし、その他の要因であれば痛くない範囲でストレッチを行い徐々に活動性を高め筋トレするという方法で解消します。
自分の手の届く範囲であれば、自分の手でストレッチを行い血流を上げますが、無理であれば少しずつ自重で伸ばすという方法をとるでしょうか。
腰痛以外の不調の為にカイロプラクティックを受けるという選択肢は一切ありません。
これら考えて私はカイロプラクティックを受けることはないという結論です。
何故カイロプラクティックは社会に浸透しているのか?
このように効果と危険を天秤にかけると受けないという選択をする人の方が多そうな気がしますが、何故カイロプラクティックはここまで社会に浸透しているのでしょうか。
ここまで社会に浸透していれば、危険だと思わないで受ける人も多そうです。
ここからはあくまで個人的見解ですが、カイロプラクティックの創始者が商売上手だったことが挙げられます。
商売上手で、上手くアメリカ内、更にはヨーロッパにも広げ、学校を作り、国に認可させた事が一番の要因でしょう。数が多ければ国も認めざるを得なかったのかもしれません。
そのことでカイロプラクティックはアメリカでは博士号が取得できます。D.C.(ドクターオブカイロプラクティック)と呼ばれる人が居て、日本にも少ないですが取得している人がいます。このような肩書きが(根拠の無い)信頼性を高めているのです。
信頼性が高ければ、消費者は選びやすくなり、未だに社会に浸透しているのです。
(幸いにも)日本ではカイロプラクティックは国家資格ではありませんし、恐らく今後も国家資格になることは無いでしょう。
近年、消費者庁も代替医療に対して厳しくなりつつあります。本当はもっと厳しくなったほうが良いと思いますが、これだけ社会に浸透している以上難しいのかもしれません。
もしカイロプラクティックを受けるなら…
私はカイロプラクティックをおすすめしませんが、もしそれでも受けたいという方は以下の点を注意しておきましょう。
- 適応症状は腰痛だけにしぼっている店を選びましょう
- 6回目までに効果を判定し、効果を感じなければやめる
- 健康全般におけるアドバイスを受けない
- 首へのアジャストは受けないようにする
これだけを守れば、大きな危険なく、腰痛改善効果が得られるかもしれません。
でも、まぁ、オススメはしません。苦笑
まとめ
身体に関わる仕事をしていて、大切なことは解剖学的に理にかなっているか?運動学、生体力学的に理にかなっているか?だと私は考えています。
人体を解剖しても見つからない経絡やツボやイネイト・インテリジェンスを背景として施術するのはどうも気が進みません。(参考エントリー:鍼治療は効果があるのか?という素朴な疑問について調べてみた)
もちろん、それらを全否定する積りはありません。ケーススタディにおいては効果を上げているケースもあるからです。
しかし、ケースによる効果は科学的ではありません。とある学者は「データとはケースの集積ではない」と言っています。
消費者側もできるだけ科学的な根拠のある方法を選んでいく努力が必要ですね。
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