レッドブルによる死亡例も出た!その効果と被害を検証した結果
『「エナジードリンク割り」は危険、米研究グループが警鐘』というニュースを見かけました。
同時に(あるいは混ぜて)飲んだ人で問題になるのは、ドラッグの使用、性的な危険行動、飲酒運転などの危険行動だった。同時に飲まなかった人/別の機会に飲んだ人より割合が高く、飲酒のレベルも高い傾向があった。
因果関係としてはどちらが先に来るのかは明確ではないが、見過ごせないということだろう。
エナジードリンク割りでお酒を飲む人とドラッグ使用者、性的危険行為を行う者、飲酒運転を行う者が多かったという調査結果で、因果関係はまだ確かでないものの注意喚起した形です。
また、アメリカでは(特に子どもの)エナジードリンクドリンク摂取後の死亡例も相次いでいるようで、その危険性について各所で注意されていますし、リトアニアでは18歳未満の子どもへの販売を禁止、欧州でも販売禁止の流れがあり、米国医師会も同様の法案成立に向け、ロビー活動中、米国小児科医学会も過剰摂取に注意が必要としています。(参考エントリー:エナジードリンクによる子どもの死亡事故が相次いでいる)
こういう流れを受けて、レッドブルをはじめとするエナジードリンクに効果はあるのか?健康被害もあるが、その辺の兼ね合いはどうなのか?ということを調べてみましたのでご報告いたします。(※今回は、日本市場だけでなく、世界で最も売れているエナジードリンクであるレッドブルの効果と健康被害を検証してみました。)
レッドブルの効果
レッドブルはじめ、多くのエナジードリンクと言われる類の飲み物は『清涼飲料水』であり、『医薬部外品』ではありません。先日のエントリーで書いたタウリンが含まれるリポビタンDは『医薬部外品』で、その含有成分による効果を表示しても構いません。(参考エントリー:リポビタンDでご存知のタウリンとはどのようなものか調べてみた!)
ですから、レッドブルは本当に元気になりますか?効きますか?って中の人に聞いたら、『はい!とは言えません。』と言われるはずです。
なので、部外者の私が勝手にレッドブルの成分から、元気になる可能性があるのかどうかを確認したいと思います。
レッドブルの含有成分とその働き
直接的に効果はうたわれていませんでしたが、レッドブルのウェブサイトに含有成分とその説明文がありましたので引用します。
カフェイン
紅茶、コーヒー、カカオ豆やコーラナッツのような天然源からカフェインを摂取していた古代文明以来、カフェインは人体への刺激作用があることで知られていた。
現在でもなお、カフェインは60種類以上の植物に自然に存在し、コーヒー、紅茶、チョコレートなどの食品に含まれています。
レッドブル1缶には80mg のカフェインが含まれています。
アルギニン
アルギニンは、自然に人体に存在し、常食に含まれるアミノ酸、自然に人体に発生し、通常の食事に含まれるアミノ酸です。
アルギニンは、準必須アミノ酸です。アルギニン生合成の速度は、枯渇または不十分な供給を補うことができないので、食事摂取が主要な供給源になります。
アルギニン摂取量の大半は、植物や動物に基づくアミノ酸から得られ、オートミール、乳製品、肉、魚介類、ナッツや種子に含まれています。
アルギニンは、人間の生理機能における多数の領域に関与しています。
ビタミンB群
ビタミンB群は、正常なカラダの機能を保つための必須微量栄養素。ビタミンには、脂溶性および水溶性の、2つの種類が存在します。
レッドブルには水溶性ビタミンが含まれています。水溶性ビタミンは脂溶性ビタミンほど体内に蓄えられない代わりに、血漿を循環し、体内で使用されないものは出ていきます。
水溶性ビタミンには、レッドブルにも含まれている、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6やビタミンB12などのビタミンB群が含まれています。
アルプスの湧水
オーストリアとスイスの間にある、レッドブルの生産拠点近くの湧水から汲まれた、新鮮で最高品質のアルプス水。当然、水はレッドブルの主要成分です。
レッドブルに使用される水は、オーストリアとスイスの間にある生産拠点の近くの湧水から汲まれた、新鮮で最高品質のアルプス水です。このアルプスの地域は世界最大の淡水貯水池の一つとして知られ、水が豊富に提供され、常に補充されています。
したがって、レッドブルは世界中で最大限のプレミアム品質の一貫性を確保するために、オーストリアとスイスのアルプスで生産されています。
レッドブルで元気になる理由
レッドブルの効果は糖質による脳の活性化と、カフェインによる覚醒・興奮の働きが作用していると考えられます。
ビタミンB郡は疲労回復などに働きますが、含有量はごく微量でありますので即効性はないと思います。(反対にビタミンBを大量に摂取し即効性があるのがにんにく注射です。)
後は信じる者は救われる!フラシーボ効果もあると思われます。
レッドブルの危険性
さて、レッドブルはじめエナジードリンクにはどのような危険性がはらんでいるでしょうか。
上記のように死亡例があったり、異常行動・危険行動のリスクがあると言われている所以はなんなのでしょうか。
それは『カフェイン』の仕業とされています。
2011年12月に1日に2缶を飲んだ10代の少女が死亡し、その検視結果で死亡の原因は「カフェインの毒性による心臓の不整脈」と判断されました。
2008年4月にも心臓に持病を持った人が『レッドブル』4缶を飲み死亡する事故があり、急性的なカフェイン摂取により心臓発作を起こしたと考えられています。
こうして見てみると、カフェイン入りの栄養ドリンクを飲みすぎることは最悪死に至るようなケースもありうるといえ、栄養ドリンクだからといって多量に飲むことはやめたほうがいいといえます。
引用元:飲み過ぎは危険!栄養ドリンクで死亡事故が発生する原因とは
いやはや、カフェインってそんなに悪いんでしょうか。
カフェインが悪い理由
では、そのカフェインは人体においてどのような悪さをするのでしょうか。
「カフェインは最も一般的な天然興奮剤であり、世界中の多くの植物に発見されている。(中略)砂糖とカフェインの組み合わせはとりわけ習慣性を生じやすいようだ。(中略)それらを好む人はその性質と乱用の可能性について心しておけばよい。」
引用元:チョコレートからヘロインまで―ドラッグカルチャーのすべて
ちなみにカフェインは医薬品であり、劇薬(使用量をあやまると生命にかかわる薬物)指定されている結構きっつい成分なのです。
一般的には普通の成人で3時間以内に17mg/kg以上の量のカフェインを摂取するとほぼ100%中毒症状がでると言われており、1時間以内に6.5g/kg以上の摂取でも約半分の人が症状がでると言われています。
ちなみにこの17mg/kgという書き方ですが「体重1kgに対して17mg」ということなので、体重が50kgの人は850mgとなる計算です。
引用元:カフェイン中毒とは?症状や致死量などについて!!
つまり、40kgの人で720mg、60kgの人で1020mg、70kgの人で1590mgとなっています。
では、各種飲料のカフェイン含有量はどうなっているのでしょうか。
1杯あたりの量 | 1杯あたりのカフェイン含有量 | |
---|---|---|
ドリップコーヒー | 150ml | 135mg |
ウーロン茶 | 500ml | 100mg |
カフェオレ関連商品 | 500ml | 200ml |
缶コーヒーブラック | 185ml | 167mg |
レッドブル | 250ml | 80mg |
モンスターエナジー | 355ml | 142ml |
少しわかりにくいので、100ml当たりのカフェイン含有量の表を作りました。上から多い順に並べています。
100ml当たりのカフェイン含有量 | |
---|---|
ドリップコーヒー | 90mg |
ブラック缶コーヒー | 90mg |
カフェオレ | 40mg |
モンスターエナジー | 40mg |
レッドブル | 32mg |
ウーロン茶 | 20mg |
なんと!レッドブルの3倍もドリップコーヒーやブラック缶コーヒーにはカフェインが含まれています。つまり、レッドブルを飲み過ぎるより、コーヒーを飲み過ぎたほうが危険です。
とはいえ、成人で危険な量は3時間以内に17mg/kg以上の量のカフェインですので、普通の摂取量であればオーバーすることはないでしょうね。米国などで死亡例などが出ているのは、恐らく単に飲み過ぎだったのではないでしょうか。
エナジードリンクをどう捉えるか
エナジードリンクに含まれているビタミン類など、人体にとって有効な物質は摂取し続けることによって身体に有用な働きをしてくれる可能性はあると考えられます。
しかし、糖分の量を考えると、元気になる前に糖尿病のリスクが高まるような気もします。
同じ栄養を摂取するのであれば、エナジードリンクではなく、マルチビタミンなどのサプリメントの方が良いのではないでしょうか。
あるいは、自分でエナジードリンクを作る方法も紹介されていたりします。
【材料】
えのき……1/2カット
乾燥わかめ……大さじ1
味噌……小さじ1
豆乳……200ml【作り方】
えのきの石づきを切り落とし、その他の材料と一緒に鍋に入れて沸騰しない程度にしばらく煮込み、ミキサーに入れてなめらかになるまでかくはんする。
引用元:つらい朝に自分で作るエナジードリンク:食べ過ぎ防止ジュース
【材料】
シーフードミックス……50g
プロセスチーズ……30g
塩……小さじ1/4
生クリーム……大さじ2
ターメリック……小さじ1/2
湯……200ml【作り方】
鍋に材料を入れて沸騰しない程度に煮込み、ミキサーに入れてなめらかになるまでかくはんする。
引用元:つらい朝に自分で作るエナジードリンク:二日酔い防止ジュース
お味のほどは…ご想像に任せます。
まとめ
レッドブルのカフェイン含有率はコーヒーよりも少ないです。
私は1日に何杯もコーヒーを飲んでいますが、特に中毒症状が出たことはありません。しかし、アメリカのように肥満大国の中でも特に肥満の方は清涼飲料水を3時間で連続飲みしちゃう方もいらっしゃるのかもしれませんね。
何でもやりすぎはいけません。
私がコーヒーを飲み過ぎているとはいえ、3時間に5杯も6杯も飲みません。
でも、エナジーを摂取したいなら、サプリメントや自作ドリンクが良いかと思います。カフェインや糖分の過剰摂取は控えるようにしましょう。
看護師さん応援キャンペーン
最大67%割引実施中!
関連記事