ココナッツオイルが身体に与える8つの効果

　最近女性誌などを中心に『ココナッツオイル』が凄いという事が話題になっています。

　オーストラリア出身でファッションモデルのミランダ・カーさんが「ココナッツオイル無しでは生きていけない」と言っているというそうです。また、日本でも道端ジェシカさんや、ローラさん、石原さとみさんが利用しているということで、その人気に拍車がかかっているようです。

　しかしながら、私はそういう流行りものに対して懐疑的なもので、本当に良いのか？というのを調べたくなります。笑

　今回はココナッツオイルの成分やその効果について調べたことをシェアしたいと思います。

ココナッツオイルとは

　ココナッツオイルはヤシ油のことで、ココヤシ果実の種子にあたる核果の中の胚乳を乾燥したものを圧搾し採取するようです。

　他の食用油と比べて飽和脂肪酸の量が多いため、酸化しにくく非常に安定した油であると言われています。

　そんなココナッツオイルですが、どのような特徴を持っているのでしょうか。以下にご説明します。

中鎖脂肪酸

　脂肪酸はその分子構造の長さによって長鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸と3つに分類されるのですが、ココナッツオイルの構造は中鎖脂肪酸が大半を占めると言われています。

　中鎖脂肪酸は一般的な食用油に多く含まれる長鎖脂肪酸と比較すると、消化・吸収のスピードが早くエネルギーとして消費しやすいと言われています。

　また、中鎖脂肪酸は母乳の脂肪分にも3～5％含まれる成分で、古くから未熟児の栄養補給など医療用途にも活用されきたという経緯があります。

ラウリン酸

　中鎖脂肪酸だけでなく、このラウリン酸も母乳にも含まれる成分であり、細菌やウイルスから守ってくれる効果があることがわかっています。

　ココナッツオイルには他の食用油に比べ豊富にラウリン酸が含まれています。

（図引用：ウィキペディアさん）

ココナッツオイルが身体に与える作用とは

　では、そのココナッツオイルは身体にどのような作用があるのでしょうか。ネット上では『効果的！』と様々な媒体で言われていますが、ココナッツオイルの成分から因果関係が明確なものや研究報告があるものを抽出して以下にご紹介します。

太りにくい

　ココナッツオイルは他の油を同量使った場合と比べて、太りにくいと考えられます。

　他の植物油が長鎖脂肪酸であるのに対し、ココナッツオイルは中鎖脂肪酸であると言われています。

　中鎖脂肪酸は、胃で分解された後門脈を経て、直接肝臓に運ばれるため、効率よく分解されてエネルギーへと変換されます。そのため、長鎖脂肪酸と比べスピーディに燃焼されることから、脂肪がつきにくいとされています。

コレステロールの上昇を抑制する

　コレステロール値が高い方はお医者様に脂質の摂取を制限するようアドバイスされます。しかし、ココナッツオイルは中鎖脂肪酸で燃焼が早いことからコレステロールへ変換されないと言われています。

糖尿病の予防・改善

　『Relationship of regional adiposity to insulin resistance and serum triglyceride levels in nonobese Japanese type 2 diabetic patients.』によると、63名の日本人の非肥満糖尿病患者において、中鎖脂肪酸摂取によりインスリンの感受性が改善したと報告されています。

　インスリンの感受性が低下することでⅡ型糖尿病になると言われているので、糖尿病の予防・改善が期待できると言えるでしょう。

心疾患のリスクが軽減する

　心疾患のリスクファクターとして、高脂血症や高コレステロール血症があると言われていますが、中鎖脂肪酸は脂肪やコレステロールになりにくいという特徴がありますので、心疾患のリスク軽減に繋がると考えられます。

　一部では飽和脂肪酸（ココナッツオイルは大半が飽和脂肪酸）は心臓病リスクを高めるという報告が上げっています。（参考；ヘルシーだと思われていたココナッツオイル。実はそんなによくなかった、飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について）

　しかし、最近の研究ではそのリスクはないという報告も上がっており個人的にはそちらの研究の方が信憑性が高いと感じています。（参考：飽和脂肪酸「悪玉論」のウソ―過小摂取に思わぬリスクも、飽和脂肪酸摂取と脳卒中・心疾患死亡、ココナッツオイルと飽和脂肪酸）

免疫力を高める

　ココナッツオイルに含まれるラウリン酸は母乳と同じ成分が含まれ細菌から身体を守る働きがあります。

　『Modulation of immune cell proliferation by glycerol monolaurate.』においては、ラウリン酸が免疫細胞を増殖させるという報告をしています。

アルツハイマー型認知症予防・改善

　『Study of the ketogenic agent AC-1202 in mild to moderate Alzheimer’s disease: a randomized, double-blind, placebo-controlled, multicenter trial.』において、軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症患者152例に対して，中鎖脂肪酸を摂取したところ認知機能の改善があったと報告されています。

　アメリカのメアリーニューポート医師は著書の中で、ヴァージンココナッツオイルは毎食35mlの摂取を勧めており、様々な認知機能だけでなく、感情、行動にも好影響があったとされています。

アンチエイジング

　『Effect of virgin coconut oil enriched diet on the antioxidant status and paraoxonase 1 activity in ameliorating the oxidative stress in rats – a comparative study.』によると、ラットに対し、ココナッツオイルを摂取させたところ、有意に抗酸化酵素の増加を認め、人体に有害な活性酸素やフリーラジカル除去に効果があったと報告されています。

　人体での実験ではありませんが、人体でも同様の働きをすると考えられています。

アトピー性皮膚炎に効果的

　『Novel antibacterial and emollient effects of coconut and virgin olive oils in adult atopic dermatitis.』や『The effect of topical virgin coconut oil on SCORAD index, transepidermal water loss, and skin capacitance in mild to moderate pediatric atopic dermatitis: a randomized, double-blind, clinical trial.』によると、ココナッツオイルを肌へ塗布することで、他のオイルに比べて、優位に肌の状態が良くなったという報告がされています。

　ラウリン酸の殺菌力やオイルによる皮膚の乾燥防止によるものと考えられています。

その他

　その他甲状腺機能低下に対し有効な働きがあるとか、虫刺されや擦り傷の処置、スキンケア、ベビーマッサージや妊娠線予防にも効果的だと言われています。

ココナッツオイルを選ぶ時の注意点

　ココナッツオイルには、一般的なココナッツオイルとヴァージンココナッツオイルの2種類あり、上記のような絶大なパワーを発揮してくれるのはヴァージンココナッツオイルです。

　ココナッツオイルは通常、抽出されたオイルに高温精製、漂白工程、脱臭工程を加えていますが、その過程でせっかくの良い成分が破壊されてしまうそうです。

　ですから、ご購入の際はヴァージンココナッツオイルを選ぶようにしてください。

まとめ

　いかがだったでしょうか。ココナッツオイルすごいですね。

　私が考える一番手軽な健康法は『置き換える』ことだと思っています。日常のありきたりな事、モノを健康的な事、モノに置き換えることです。

　エレベーターを階段に置き換える。自転車を徒歩に置き換える。油をココナッツオイルに置き換える。

　このように置き換えるだけで美容と健康の為になるというのは非常に手軽で、簡単で、誰にでもできます。

　是非、あなたの家の油をココナッツオイルや亜麻仁オイル・エゴマオイルに置き換えてみてはいかがでしょうか。

P.S. ココナッツオイルの使い方

　身体にとっても良い作用をもたらすココナッツオイルの使い方に関しては『絶大な効果を誇るココナッツオイルの使い方3選+人気レシピ』をご参照ください。