コレステロールは何故必要?その働きと基準値に関する疑問について
皆さん、一度は血液検査を受けた事があるでしょう。献血をしても検査結果はもらえます。(献血の検査目的の利用は禁止されています。)
その中でもコレステロール値が高かったり、低かったりしたらチェックされ、再検査の指示が出たりします。
現在日本の成人は、正常値が130mg/dl~200mg/dl、境界値が201 mg/dl~219 mg/dl、です。220 mg/dl以上の場合は高コレステロール血症と診断され、治療や投薬が必要になります。
コレステロールは卵黄や肉に多く含まれ、それらの食品を取りすぎると高くなるなどと言われています。私も医療に関わる前は『何でコレステロールなんてあるんだ!?』と思っていました。
そこで、今回はそんなコレステロールの働きを知り、現在の基準値に対しての疑問をお伝えしたいと思います。
コレステロールは働き者
「何でコレステロールなんているの?」という答えは「人体にとって必要だから。」としか答えられません。
では、どのように必要なのか?
コレステロールの働きは多岐にわたります。
まず一番大きな役割としては『細胞膜の形成』です。人間はおよそ60兆個の細胞によって構成されます。
その細胞の中と外を分ける役割として細胞膜は存在し、細胞の中を外から守ると同時に、外からの栄養分のやり取りなどを主な仕事としています。
また、コレステロールの約25%は脳神経細胞に存在し、脳内の電気信号を素早く伝達するために一役かっており、脳から各種臓器、筋肉への命令をそつなく行えるようにしています。
それ以外にも、ホルモン生成の為の原料にもなっており、身体にとってなくてはならないものとして存在しています。
高コレステロール血症(脂質異常症)とは
血中のコレステロール値が高い状態の事を言い、動脈硬化の原因になると言われています。
動脈硬化は脳卒中のリスクを高める為、コレステロール値が高すぎる(220mg/dl以上)の場合にその治療が必要とされています。
最近の研究結果
この本で、最近のコレステロール値に関する内容が紹介をされていますので一部抜粋します。
「日本脂質介入試験=J‐LIT」という臨床試験では、総コレステロール値が220以上の人ばかり5万人に、コレステロール低下剤を6年間使いました。平均で約50下がりましたが、もっとも死亡率が低かったのは220~260の人でした。180未満に下がった人の死亡率は、220~260の人の2.7倍に増え、40%が癌で死亡しました。
つまり、コレステロール値が下がった方が、死亡率が高まり、その死亡原因が癌である率が非常に高かったのです。
また、本文中では総コレステロール値が240~260の人が最長寿というデータや、85歳以上の高齢者で一番長生きしたのはコレステロール値が高いグループであったことを紹介しています。
これらからわかる事は、コレステロールは癌で死亡するリスクを下げてはいるが、あまりにも高いと動脈硬化のリスクは高まるのでそのバランスをとることが重要だということです。
ですので、現状の基準値である220mg/dlという値には疑問が残ります。コレステロールと上手くつき合っていく事が重要なのです。
その他今回のテーマに関する参考文献は以下の通りです。もっと深く知りたい方は是非ご一読下さい。
Amazonでは共に中古での販売しかないようです。
まとめ
今現在日本における健康の常識として定められている基準値には多くの矛盾、時代遅れが多数見られます。
理由は様々な憶測も飛んでいますが、これが国民の為には全くなっていないと個人的には思います。
健康に、元気に生きていく為には、皆さん自身が知る努力をし、守っていかなければなりません。
今回の記事がそういうきっかけになればと思います。
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