整体に通うべき人、通わなくていい人の違いとは?
こんにちは。作業療法士の中野です。
あなたは整体やマッサージに何を求めていますか?
そしてその求めているものは、得られているでしょうか。
もし、得られていないとしたら、あなたは整体に通う必要のない人なのかもしれません。あるいは、整体に過度の期待をしているかもしれません。
そこで今回は、整体ってこういう事を求めて行くところだよ、整体に通うべき人ってこういう人だよ、逆にこういう人は整体に通う必要はないよって話を書こうと想います。
あなたの整体に通うかどうかの判断に役立てて頂ければ幸いです。
整体の適応
整体というと『痛みをとる』とか『歪みをとる』とか『バランスを整える』っていうイメージを持つ人がいるかと思います。
でも多いのは『腰痛や肩こりの解消』もご来店される理由の1つでしょうか。
まず最初に申し上げておきますと、整体は病気・症状を治すものではありません。
「えええぇぇぇー!!!」っていう声が聞こえてきそうですが、事実です。仮にチラシやホームページ上で『治療』とか『治す』とか『良くなる』なんていう言葉を使って宣伝していたとしたらアウトですね。信用できない整体院と判断できるでしょう。
整体は医療ではありません。病気や症状を治したり、緩和させたりしたりするのは医療の範疇で、国に認められた国家資格保持者しかできません。
もちろん、整体の結果、病気や症状が緩和する可能性は無きにしもありません。しかしそれはあくまで結果論。それを目的にやっていたとしたら違法です。
あ、そういえば大阪のNPOの代表が逮捕されていましたが、あれは子どものアトピーを治すってうたってやっていましたから、事故がなかったとしても逮捕されてしかるべきだったと思いますよ。
整体とは、あくまで健康法。健康な人がご自身の健康の維持・増進の為に行うもの。朝ラジオ体操をしたり、ジョギングをしたり、トレーニングをしたり、あるいは食事に気を使ったり、ストレスを溜めないようにしたりするってのと同じ意味合いです。
そして、もう一つ意味合いがあるとするならば美容法でしょうか。お化粧したり、髪の毛を整えたり、はたまたウォーキングのレッスンに行ったりというのと同様で美しい姿勢を身につける一つの手段にはなると思います。
ですから、あくまで健康な人の道楽い、いえ、自己を高める手法の一つであるとお考え下さい。
健康法・美容法としての整体
ですから、病気にならないように、あるいは醜い自分にならないように対しての何らかの取り組みの一つに整体があるという認識をお持ちただければ幸いです。
整体以外にも多くの健康法、美容法は存在しますが、それが自分に効果的かどうかの判断基準は別のエントリーをご参照下さい。
つまりは、病気予防、美容維持が整体の目的です。
そして、数多くある美容法と健康法の中において整体はどのような役割があるか?
それは特に『姿勢』や『運動』に対して、その姿勢や運動が適正に行われているかどうか?行われていないとするならばどのような原因か、どのようにすれば適切な姿勢、運動に変化するか?についてアプローチする手法と言えるかも知れません。
病気になりにくい姿勢や運動、怪我をしにくい姿勢や運動、お顔が小さく見えるようになる姿勢や運動。それらを理解している人しか本来は整体は不可能です。
ですから、私から見ると多くの整体は60分2980円のクイックマッサージと大差ないように思えます。
何故なら『一時的な血流アップ』だけならクイックマッサージでも得られますし、整体でないといけない理由にもなりません。何なら自分でも可能ですしヨガやピラティスなどのボディワーク系でも構いません。はたまた最近はやりのストレッチ店でも良いでしょう。
整体はあくまで、適切な姿勢、運動を手に入れる手段である必要があると私は考えます。
整体の限界
当然ですが、整体でがんは治りません。生理痛やPMSなどは血流が良くなり、代謝が良くなった結果、良くなることもあるかもしれませんが当然個人差はありますし、整体を受けたからといって治らないこともあります。
産後の骨盤矯正も怪しいもんです。
産後は骨盤が歪む。だとしたら、整体など受けられる状態ではありません。激痛に耐え、日常生活を送るのも精一杯という状況になるでしょう。
うちのサロンに、昔そういう状況に陥った状態のお客様がいらっしゃいますが、うちに通うまで約15年間、その時の後遺症とお付き合いされていたそうです。当サロンにて姿勢と運動を適切なものにしていった結果、今ではあまり感じなくなったそうですが、歩きすぎて疲れたりすると今でも違和感が出てきたりとかはあるようです。
つまり、産後の骨盤の歪みというのもありません。産前からの問題か、出産後の問題でしょう。
出産は病気でも怪我でもありませんから、医療の対象ではありません。ただ、出産によって筋肉が働きにくくなるので、姿勢・運動が適切なものでなくなる可能性があります。その部分を整体でお手伝いできる可能性はあるでしょうが、出産後の歪み、つまり恥骨結合のズレなどは医療でしか対処できません。
整体はあくまで、姿勢と運動を適切なものに変える手段です。その結果心と身体に色んないい影響を与えてくれる可能性はあります。しかし、それは姿勢と運動の問題で起こっていた問題のみでしょう。全ての問題が姿勢と運動で起こっているわけではありません。
整体は魔法ではありませんから、過度な期待を持つのは止めておきましょう。
整体に通うべき人、通わなくていい人
整体を受けると一時的に血流が上がり、スッキリ感もあるし、ビフォー・アフターで姿勢や運動が変化します。しかし、それはあくまで一時的なものでしかありません。
しかし、既に姿勢が悪く、運動の方法もおかしくなっている人にとっては、一時的に血流が良くなって得られる正しい位置。正しい姿勢を忘れていますから、それらを思い出すためには整体は有効かもしれません。
ですが、先程もお伝えした通り、一時的な血流のアップなら30分じっくりストレッチなどを行えば自分でも可能です。
良い姿勢の定義などを当ブログやGoogle検索、あるいは専門書などを開いて調べ、自分で血流を良くした上で良い姿勢を覚え、それを意識する。毎日の疲労のケアも怠らず、日々意識して行える人は整体に通う必要はないでしょう。
それだけの事を一体どれだけの人ができるかは、少々疑問ではありますが、世の中にはそれを実践されている方もいらっしゃいます。
また、一度覚えてしまうまで整体に通い、その後は自分でケアするということも可能でしょう。
そして、もう一つは姿勢と運動に問題を感じていない、あるいは姿勢と運動の問題によって起こっている何かしらの不具合をご自身で感じていない方は整体に通う必要はないでしょう。ご自身で感じていなくても姿勢と運動が適切でなくなっている場合ももちろんありますが、ご自身で問題意識をお持ちでない方は整体へ行ってもあまり意味がありません。
先程もお伝えした通り、整体は魔法ではありませんから、お客様の問題を治してあげることはできないのです。あくまでそのお手伝いをするだけで、主人公はお客様自身なのです。
ですから、ご自身で問題意識をお持ちでない方は整体に通う必要はないと言えるでしょう。
では、どういう人が整体に通うべきか。
良い姿勢や運動の方法を知る努力をするのが大変な方、日々の努力が自分だけではすぐにへこたれてしまう方、誰かの応援があって頑張れる方。
こういう方は整体を上手く利用してもらえたら良いんじゃないかなと思います。
当サロンでは最初1〜2ヵ月で、いわゆる良い姿勢を徹底的に覚えてもらいます。
その後はフォロー。日常生活の状態をお聞きしながら、どのように気をつければ良いか、どのような環境設定にすれば良いか、どのようにストレスに対処すべきか?などなどをお伝えして、それを実践して頂く。
その次にまた姿勢をチェックさせて頂き、状況を考察する。その繰り返しでステップアップしていってもらっています。
もちろん中には、来て数日間は意識しているけど、その後がダメという方もいらっしゃいます。その都度手を変え品を変え、その方にどうにか響くよう私も努力しておりますが、中々ご自身で努力することが大変な方もいらっしゃいます。
ですが、私はお客様が来て下さる限り諦められませんから日々頑張っています。
まとめますと、整体の必要な方は『怠け者のあなた』と言えるかもしれませんね。
あ、悪いように捉えないでくださいね。人ってのは誰しも怠け者です。私ももちろん怠け者です。後回しにする癖は全く治る気配がありませんし、面倒なことは引き受けません。逃げます。笑
怠け者な私だけど、何とか変わりたい。姿勢や運動を良くしたい。健康で美しくありたい。そんなご要望のある方には整体がお手伝いできるかもしれません。
ヨガやピラティスなどのボディワーク系はどうか?
ヨガやピラティスも整体同様『姿勢』や『運動』に着目した健康法・美容法の一種だと言えますから、ご自分に合う方を選ばれると良いかと思います。
しかし、デメリットもあります。
ヨガやピラティスのインストラクターの中には身体に対して全くのド素人って方も少なくないのが現状です。もちろん、整体にもド素人は沢山参入しているのですが、私の感覚ですと、ド素人率は整体よりも多いように思います。
全くのド素人が数回の講座を受けただけでインストラクターになれるというのは、スクール型のビジネスモデルに則っているからなんですね。
ようするにインストラクターを育成したら儲かるんです。ですから、簡単にインストラクターになれるよという触れ込みでお金をたんまりもらうっていうビジネスモデルが跡を絶ちません。
もちろん、中にはしっかりした所もあると思いますが、少数派だと思います。
医師や理学療法士、体育学教授なんかが顧問を務めているようなスクールを出ているインストラクターだったら信用に値するでしょうね。
もちろんメリットもあります。
整体では、日常生活の方法の指導などを行いますが、ヨガやピラティスはポーズや動きの中で身体に覚えこませるという方法取ることが可能です。
ですから、難しいことを考えずに教えてもらったポーズを自宅で継続することにより適切な姿勢・運動が手に入るので、継続して努力しやすいんじゃないかなとは思います。
まとめ
今回のエントリーをベースに自分に整体が必要かどうか。あるいはヨガやピラティスはどうか?という検討の基準になれば幸いです。
整体もヨガも、そのものが良いわけではなく、完全に個別性が高いサービスです。つまり、人によります。
次のエントリーでは、整体やヨガのサービス提供者の選び方、見抜き方について書こうと思います。
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